青く澄んだ美しい海を見るなら、東北部の金寧(キムニョン)、西北部の挟才(ヒョプチェ)、東南部の表善(ピョソン)、西南部の中文(チュンムン)がよく知られている。透明な水に淡い青の絵の具を垂らしたような海が果てなく続いていて心が洗われる。
美味しい魚介類
済州島ではさまざまな滝を堪能できる。特に南側の西帰浦(ソギポ)市内に滝が多い。海に直接水が流れ落ちる正房瀑布(チョンバンポッポ)、天女が白い布を落としたように優雅な天地淵瀑布(チョンジヨンポッポ)は、絶対に見逃せない観光スポットだ。
残念ながら済州島では温泉を楽しめない。火山島なので島のあちこちにあっても良さそうなのに、歴史的に温泉が開発されてこなかった。でも、ガッカリすることはない。その代わりに、美味しい魚介類がどこへ行っても楽しめる。ズバリ言って「刺し身天国」なのである。
海沿いには刺し身の店が多いが、注文のシステムは日本とちょっと違う。好みの魚の名を言って、それを丸々一匹さばいてもらうのだ。すると、大皿に並々と盛った刺し身がドーンと出てくる。しかも、一匹の刺し身を頼むと付随して他の刺し身やつまみがサービスで出てくる。もう、テーブルに並びきれないほどの海鮮料理が並ぶ。それだけに、注文しすぎないことが大切。少なめに注文しても、テーブルは満杯になってしまうだろう。
また、刺し身を食べたあとはアラでメウンタン(辛いスープ)を作ってくれるので、それもかならず頼んでみよう。
ヒラメの他には、タイ、ハンチ(イカの一種)、サザエなどの刺し身が美味しいし、予算に余裕がある人ならアワビもいい。また、済州島にはアワビのお粥もある。アワビの旨みがよくしみこんだお粥で、日本では食べられないだけに本当に貴重だ。
とにかく、きれいな海のそばで美味しい刺し身を堪能すると、本当に「生きていて良かった!」と感激するだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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