現代に蘇る300年前の魂
Netflixで配信中の話題作『素晴らしき新世界』。本作で強烈な存在感を放っているのが、実力派女優イム・ジヨンが扮するシン・ソリである。彼女は現代を生きる女優なのだが、その内面には大きな秘密が隠されている。なんと、300年という途方もない時間を越え、朝鮮王朝時代に悪名を轟かせた稀代の悪女カン・ヒビンの魂が宿っているのだ。
本来であれば、前近代的な価値観と現代社会の激しいギャップに苦しむはずである。しかし彼女は特有の高い適応能力をいかんなく発揮し、現代のライフスタイルを完全に掌握している。この時代錯誤な精神構造と、現代的な美貌のアンバランスさが、物語に予測不能な面白さを与えている。
済州島でのロマンスと御曹司の変化
特異な魅力を持つソリに強く惹かれるのが、巨大財閥の次期トップと目されるチャ・セゲである。ホ・ナムジュンが演じており、傘下企業「BOJEI(ビーオージェイ)」の代表になっている。
2人の関係が大きく動く契機となったのが、済州島でのロケ撮影である。BOJEIのイメージキャラクターに抜擢されたソリは、美しい自然を背景にカメラの前に立った。この非日常的な空間の中で、2人の間には情熱的な空気が流れ始める。単なる仕事上のパートナーという枠を越え、互いに惹かれ合う甘美な関係へと発展していくのである。
しかし、ソリの胸中は複雑であった。彼女は自らの特殊な境遇とセゲが背負う重責を冷静に考えていた。深く愛するがゆえに、彼の社会的立場を危うくすることを恐れ、あえて一定の距離を保つという自己犠牲の道を選んだ。
財閥内部の陰謀と絶体絶命の危機
セゲの輝かしい躍進を面白く思わない社内勢力が動き出した。首謀者は、グループ企業であるチャイル建設トップのチェ・ムンド(チャン・スンジョ)であった。次期会長の座を虎視眈々と狙う彼は、セゲを蹴落とすための卑劣な罠を仕掛けた。
ムンドはマスコミに対し、「セゲが済州島で飲酒運転を起こし、さらにひき逃げをした」という極めて悪質なデマを流布した。この致命的な告発により、世間の激しいバッシングが巻き起こる。経営トップの不祥事という疑惑は瞬く間に市場の不安を煽り、関連企業の株価は暴落してしまった。
救世主としての覚醒と鮮やかな逆転
セゲがピンチに陥ったとき、真っ先に立ち上がったのは他でもないソリであった。彼女は会見の場に毅然とした態度で現れ、理路整然とした話術と圧倒的な説得力をもって、セゲが完全に無実であることを世間に知らしめた。
それだけではなく、企業として大規模な慈善事業を展開するという画期的な構想を突如として発表し、世間の耳目を一気に集めた。この見事なイメージ戦略により、悪化の一途を辿っていた世論は劇的に好転する。どん底まで沈んでいた株価も急反発を見せ、みごとなV字回復を成し遂げた。絶望的な状況を独力で覆したソリは、まさに企業を救う女神となった。この出来事を経て、セゲがソリへ抱く愛情は揺るぎないものになっていった。
ホ・ナムジュンの圧倒的な演技力
本作の成功を語る上で欠かせないのが、セゲ役を務めるホ・ナムジュンが持つ傑出した演技力である。物語の序盤において、彼は利益のみを追求する氷のように冷酷なビジネスマンとして画面に登場する。しかし、ソリという異質な存在との出会いを経て、その表情には徐々に血の通った人間らしい温もりが宿り始める。
愛に生きるロマンチストへと変貌を遂げるプロセスは、実にダイナミックである。冷血な経営者から愛情深い存在へ……両極端とも言える感情の変化をホ・ナムジュンは見事に表現しきった。細やかな視線の動きや声のトーンで魅せるその多面的な演技は、視聴者の心を強く揺さぶり続けている。
文=パク・ジョンジェ
画像=SBS
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