韓国人特有の共同体意識
韓国では単なる感情の表現にとどまらず、交感(互いに感じ合うこと)と一体感を求める傾向が強くあります。
つまり、「私はこんなに悲しいんだ」を越えて、「この悲しさを一緒に分かち合うことで負担を軽減させよう」という行為にまでつなぐのです。一見、面倒くさくて迷惑にも見えるこの習性は、韓国人特有の共同体意識からくるもので、共同体構成員同士の無限に近い信頼感を基にしています。
今は社会システムも変わり、共同体と言えるものすらなくなりましたが、それでもこの特有の習性は韓国人に強く残っています。
感情の交感まで求める表現を習性とする韓国人は、またその交感能力も高く、そのため演技に対しても事実のように交感しようとします。
当然、演技の出来にも敏感になり、厳しい評価をするヘビーな観客にもなります。このような習性と観客を持っている韓国の俳優たちは、自然に高い演技力を身につけることができます。
そして、演技の実戦の場である映画とドラマの撮影現場において、その技が磨かれていくのです。
文=朴敏祐(パク・ミヌ)