あまりテレビドラマに出演しないことで知られるコン・ユが、久しぶりにチャレンジしたドラマ……それが『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』だった。彼は、このドラマについてどのように語っているのか。それを聞くと、さらに『トッケビ』の面白さが引き立ってくる(2018年8月14日に『ロコレ』に掲載された記事を再掲載しています)。
ようやく見つけた安らぎ
『トッケビ』の中でコン・ユが演じたのは、胸に剣が刺さったまま900年以上もさまよっているキム・シンという主人公である。彼は胸の剣を抜いてくれる「トッケビの花嫁」を探していたが、それが高校3年生のウンタクだった。この役はキム・ゴウンが演じていた。
さらに、イ・ドンウクが扮した死神がキム・シンとウンタクにからんでくる。この人間模様についてコン・ユはこう語る。
「キム・シンの場合、死神やウンタクと出会って同居することによって、初めてみんなと一緒に日常を楽しめるようになったのでしょう。それ以前まで、ずっと寂しさに耐えて感情を抑えた彼が新しい友に出会ったのです」
この説明が的確だ。キム・シンは奇妙な同居生活の中でコミカルな表情を見せるが、それは、長く苦しい忍耐生活の中でようやく見つけた安らぎだったのである。そう考えると、キム・シンのひとときの喜びを視聴者もともに実感できる。
コン・ユはさらに言う。
「キム・シンが心の奥に抱えていた寂しさ、哀しさ、真実……。彼がたどってきた人生と歴史があるからこそ、視聴者に受け入れられたのでしょう」
(ページ2に続く)
コン・ユが導く『トッケビ』の世界が人間の生死を乗り越えていく