あれから20年
さらに、日韓パートナーシップ宣言の文章を見てみよう。
「金大中大統領は、韓国において日本文化を開放していくとの方針を伝達し、小渕総理大臣より、かかる方針を日韓両国の真の相互理解につながるものとして歓迎した」
「小渕総理大臣と金大中大統領は、21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップは、両国国民の幅広い参加と不断の努力により、更に高次元のものに発展させることができるとの共通の信念を表明するとともに、両国国民に対し、この共同宣言の精神を分かち合い、新たな日韓パートナーシップの構築・発展に向けた共同の作業に参加するよう呼びかけた」
この宣言のとおり、金大中大統領は、それまで韓国で禁じられていた日本の大衆文化を段階的に開放していった。
さらに、2002年にはFIFAワールドカップ日韓共催大会もあり、日本と韓国の友好は続いた。
しかし、その後は関係悪化の悪循環に陥った。政治が両国の不信感を募らせたのだが、民間レベルでも交流がとどこおるという残念な結果になった。とはいえ、最近は良好なきざしも見えてきた。
日本と韓国は永久に隣国同士であり、国を引っ越しさせることはできない。あらためて、日韓パートナーシップ宣言の精神に立ち返って友好を深めていきたい。
20周年という節目に、その思いを強くする。
文=康 熙奉(カン ヒボン)