第12話に出た本貫とは何か/『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』傑作物語9

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『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の第12話で、裁判長が本貫(ポングァン)にとてもこだわっている様子が描かれていた。この本貫とは、その一族の姓氏が誕生した土地のことだ。もっとわかりやすく言えば、一族の始祖の出身地である。

画像=ENA




本貫の数はとても多い

普通、韓国人は自分の姓氏を詳しく言うときには本貫をつけて、「私は○○金氏です」「僕は○○李氏です」という。この○○に本貫が入る。
たとえば、同じ金氏といってもその一族の始祖が家門を立てた地域によって異なる。金氏だけでも金海(キメ)、慶州(キョンジュ)、江陵(カンヌン)、光州(クァンジュ)、安東(アンドン)など数多い本貫がある。
実務的な調査によると、韓国人の姓氏は290あまりだが、本貫は4300余もあるという。
正確には、4300余の姓氏が存在するということと同じなのである。
そして、姓氏が同じでも本貫が違えば同族ではない。
必ず姓氏と本貫が一緒な人だけが同族である。さらに言うと、2005年の法律の改正前までは、同姓同本(同じ姓氏で同じ本貫)同士の男女は法的に結婚できなかった。
韓国ではなぜ、このように厳格な姓氏を受け継いでいるのか。それは、韓国人にとって姓氏は家族の単位ではなく血統の単位だからだ。




多くの国では姓氏は集団の名称であり、外部から新しい人が入ってくれば、それまでの姓氏を捨てて、新しく入る家族の姓氏に変える。
しかし、韓国では父系を中心として続く血統の定義が姓氏であり、結婚しても女性の姓氏は変わらない。それは、その女性の血統が永遠に変わらないからだ。つまり、その人の血統を現すために厳格な姓氏制度を守っているのだ。
そして、韓国では今でも誰もが自分の本貫を知っており、同じ姓氏に会うと本貫がどこなのかを聞く。
それによって、相手がどんな血統を持っているのか……すなわち、どんな家柄の出身なのかがわかるのである。
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の第12話に登場した裁判長は、徹底的に本貫にこだわる人物として描かれていた。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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