我慢を強いられる犠牲的な人生/韓国ドラマが描く女性像1

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韓国ドラマが面白いのは、様々な人物が登場して複雑な対人関係の中で、人間味があふれるストーリーになるところだ。そうしたドラマの中で、果たしてヒロインはどのように描かれているだろうか。象徴的な例を取り出してみよう。

写真=KBS『月桂樹洋服店の紳士たち』公式サイトより

写真=KBS『月桂樹洋服店の紳士たち』公式サイトより

ヨンシルの境遇

昨年後半から今年の初めにかけて韓国のKBSで放送されて30%以上の視聴率を獲得した『月桂樹洋服店の紳士たち』。挫折した男たちが次々に出てきて、再起を図るストーリーであったが、このドラマでヒロインになっていたのが、チョ・ユニが演じていたヨンシルだった。
ヨンシルは本当に、けなげな女性だった。




彼女は、父親が借金だらけで辛い生活を送っていた。しかも、父親の腎臓病を治すために、健康な腎臓を提供してくれた暴力団の男への義理を果たす。それは、好きでもない男と結婚することだった。こういう境遇を見るだけでも、視聴者は暗澹(あんたん)たる気持ちになったことだろう。
夫となった男は収監中で、ヨンシルは夫の母親に徹底的にこき使われる。この母親は、ブドウ園を営んでいるのだが、ブドウの収穫時期になるとヨンシルを呼び出して重労働をさせる。しかも、その母親にヨンシルは何かと干渉されて辛い目にあう。(ページ2に続く)

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