現在の韓国料理の起源は、朝鮮時代の宮廷料理であると述べることは、言い過ぎではないと言えるだろう。宮廷で発展した調理方法は、最先端の技術として民間の厨房まで伝えられ、現在も息づいている伝統であることが確かである。
過度な食事量
民家では宮廷のような食材を使うことは難しい状況であったが、少なくとも「薬食同源」の考え方は朝鮮半島の隅々に広く伝播していた。
宮廷料理は、まさに韓国の食文化を形作る基盤であり、それを存分に楽しんだのは、当時の国王であった。さあ、具体的に国王の食事風景を観察してみよう。
宮廷料理は、朝鮮半島全域から集められた上品な進上品を用いて作られていた。調理を担当するのは、腕に絶対の自信を持つ女官と、宮廷の外部から招かれた腕利きの男性料理師であった。「宮廷女官 チャングムの誓い」では、女官たちが厨房を完全に支配していたように描かれているが、現実には腕の良い男性も非常に重要な役割を果たしていたのだ。
王や王妃といった王室の重要人物には、一日に5回の食事が用意されていた。彼らが食べる料理は、特にスラサンと呼ばれるものであった。
その日の最初の食事である初スラサン(正式には初朝飯)では、主にお粥を食べ、午前10時頃には朝スラサン、午後には昼スラサン、夕方5時頃には夕スラサンを豪華に頂いた。そして、最後に夜食を食べて、一日の締めくくりとなった。
どう考えても、これは過度な食事量である。歴代の国王の中には口内炎に悩まされた者も多かったというが、それも頷ける話である。
構成=「ロコレ」編集部