韓国に留学して韓国語を学ぼうとするとき、日本人がよく通うのが延世(ヨンセ)大学の語学堂だ。この語学堂の教師が日本人留学生の傾向について率直に語ってくれた。
日本人は会話より文法を重視してしまう
延世大学のキャンパスは、ソウルの新村(シンチョン)にある。
正門から入ってちょっと歩いただけで、校内がとてつもなく広いことがすぐにわかる。見渡す方向のすべてに校舎が並んでいる。奥には裏山があって市民の散歩コースになっているし、名水が湧き出る泉もある。
ソウル中心部に近い場所で、これほど自然豊かなキャンパスがあることに素直に驚く。さすがに韓国私学界の雄である。
正門からまっすぐ歩いて10分ほどで広い中庭に出た。
何匹かのリスが木々の間を通り抜けていった。
その中庭の奥を右手の方向へ進むと、語学堂の堂々たる校舎が見えてきた。大学の付属機関というよりは、もはや学部一つに相当するほど規模が大きい。
この語学堂の男性教師に「日本人留学生の傾向」について聞いたことがある。
40代のその教師は、「日本人留学生は本当によく勉強すると思います」と語った。
さらに、こう続けた。
「もちろん、中にはそれほど熱心ではない人もいますが、全体を通してみればやはり日本人が一番です。とにかく、宿題をよくやってくるし、教師が指示したことにきちんと対応します。日本以外の国から来ている人と比べても、日本人は模範生です」
彼によると、いくら熱心に勉強しても最初は韓国語の発音に苦労する日本人留学生が多いという。日本人の癖で、会話より文法を重視してしまう傾向が強いからだ。
「発音についていうと、韓国語の抑揚に慣れるのに日本人は苦労すると思います。そんな事情もあって、韓国に対して好奇心をもって来ながら、初級から中級に上がる頃に韓国が嫌いになる時期もあるようです。そんな人たちが集まって一緒に遊ぶから、よけい韓国語の上達が遅れてしまう。でも、やっぱり日本人は辛抱強いですよ。途中で韓国語の学習を投げ出す人は中国や西洋の人に比べるとずっと少ないはず。倦怠期を乗り越えて中級の上くらいになると、韓国の長所と短所を分析する余裕も生まれるし、上級ではネイティブ級の人がゴロゴロ生まれてきますよ」
ネイティブ級とは心強い。こういう達人に続く人たちが増えてほしいと願う。
そこで、こんな質問をしてみた。
「これから韓国語を学びに留学しようとしたら、どんな点に気をつけたらいいと思いますか?」
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