彼らが持つ独特な世界観
4つ目の理由は、韓国の青年の文化発信力がグループとしてうまく融合していること。防弾少年団のメンバーは自ら作詩と作曲を手掛けているが、そのクリエイティブな面が抜群のルックスから醸し出されてくるので、ファンは常に心地よい余韻の中で彼らのパフォーマンスを堪能できる。
たとえば、防弾少年団のことをもっと深く知ろうとした世界のファンが、歌詞の内容にまで踏み込むようになると、そこで展開される独特な世界観に魅了される。彼らの文化発信力は、かならず国境を越えていくのだ。
最後の5つ目の理由は、韓流人気の下地が世界に根づいていたこと。この点では、防弾少年団も先輩スターたちに大いに感謝すべきだろう。
アメリカの一部には、「防弾少年団はビートルズの上陸を思わせる」という論調もあるとか。
イギリス国内で絶大な人気を誇ったビートルズがアメリカにやってきたのは1964年のこと。すぐに凄まじい旋風を巻き起こしたが、防弾少年団がビートルズにたとえられるとは、なんと名誉なことなのか。
今後の彼らが起こす旋風を世界が注視している。とてつもないグループが韓国から出てきたものだ。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化や韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』。
BTS(防弾少年団)の『Burn the Stage : the Movie』を見てこう思った!