朝鮮王朝時代の女性の宿命
彼女が動物を描くと、まるで紙の上で生きているかのようだった。
あるとき、虫を描いた申師任堂がその絵を庭で乾かしていると、ニワトリが寄ってきて絵の中の虫を本当に食べようとした。このエピソードだけでも、申師任堂の筆の巧みさがわかる。
ニワトリも本物でなくて面食らったことだろう。
申師任堂はそれほどの芸術家だったのだが、男尊女卑の風潮が根強かった朝鮮王朝時代に、女性が芸術性を伸ばす生活を続けることは難しく、彼女も親が決めた結婚話に従わざるをえなかった。
夫は生活力のない男で、日々の暮らしは苦しかった。そんな中でも、申師任堂は子供たちをりっぱに育て上げた。
夫もようやく一念発起して、「科挙に受かるまで戻ってこない」と決意して故郷を後にした。
しかし、夫は挫折してすぐに帰ってきてしまった。
このとき、申師任堂が取った行動が語り草になっている。(ページ3に続く)
平昌五輪開催の江陵(カンヌン)!ここは申師任堂(シンサイムダン)の故郷