多様な兵役遂行の時代へ
警察広報団は基本的に18人で構成されていて、学校を回りイベントを通して非行防止や交通遵守をアピールしたり、交流親睦行事でパフォーマンスを披露したりする。ここに入るためには、応募者多数の中から選抜試験を通り抜けなければならない。とはいえ、優れた音楽的才能があれば、十分に合格可能である。
現実的に芸能人が数多く在籍してきており、現在はチャンミンの他に、スーパージュニアのドンヘとシウォンが所属している。
つい最近もチャンミンが啓蒙活動を行なっている様子がソウル地方警察庁のフェイスブックで公開された。
ソウル地方警察庁にはポドリ(男の子)とポスニ(女の子)というキャラクターがいるのだが、舞台の上でぬいぐるみのポスニの中に入っていたのは、なんとチャンミンであった。ぬいぐるみを脱いでチャンミンが現れたら、みんなビックリだろう。
いずれにしても、兵役を全うする方法は、今後ますます多様化していく。近代兵器の装備によって今では以前ほどの兵力を維持しなくてもいい状況になっている。現に国防省は2022年までに兵士の数を63万人から約52万人に減らす計画を立てている。
そういう流れの中で、むしろ軍楽隊や義務警察の人員を増やしてもいいのではないだろうか。
兵役の遂行にも、ダイバーシティ(多様性)というものが求められているのである。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』。