韓国時代劇の隆盛
『冬のソナタ』の放送をきっかけに起こった日本での韓流ブーム。この流行は、一過性にすぎないと思った人もいただろうが、その予測は完全にはずれた。
韓流は一介のブームというより、大衆文化の1つのジャンルとして日本社会に定着し、次の段階に進んでいく。
2004年の秋からNHKのBSで『宮廷女官 チャングムの誓い』が放送されたこともあり、韓国時代劇が日本で人気を集めるようになった。それにつれて、韓国の歴史に興味を持つ人も増えていった。
数年前のことだが、ソウルの王宮めぐりをしたときにとても印象深い光景に出くわした。日本から来た年配の夫婦が、若い女性のガイドに向かって朝鮮王朝の歴史に関する専門的な質問を浴びせていたのである。
ガイドも「韓国人よりも朝鮮王朝の歴史に詳しいですね」と感心していたが、夫婦が口をそろえて「韓国時代劇のおかげですよ」と言っていた。
韓流ファンの中には、「日本の学校では韓国の歴史をほとんど習いません。韓国時代劇で興味を持って調べて見ると、初めて知ることばかりでした」と語る人もいた。
歴史を知れば、その国への関心はさらに倍加する。韓流ブームは日本の人たちに韓国の歴史を紹介する役割も果たしたのである。(ページ4に続く)