社会での肩書や学歴は、軍隊ではまったく通用しなくなってしまう。なにしろ、軍隊でモノをいうのは階級だけなのである。韓流スターといえども、兵役入りすると他の兵士と同様に二等兵から始めて、時期がくると順に昇級するようになっている。階級が低いときは、ひたすら辛抱が必要だ。
二等兵を管理するのが一等兵
兵役で陸軍に入った場合、兵役期間は21カ月だが、時間の経過とともに階級が上がっていくのが一般的だ。
それでは、どのくらいの期間で昇級していくのかを見てみよう。
陸軍に入隊すると、最初の階級は二等兵である。韓国では「二兵」と呼ばれる。
普通は新兵訓練所で5週間の訓練を受けるが、その期間を含めて合計で3カ月経過すると、二等兵は一等兵に昇級していく。この一等兵は韓国で「一兵」と呼ばれる。
二等兵のときは階級が一番下なので、何かにつけて上官のための下働きをしなければならない。そのために休憩時間もゆっくりできないことが多いが、軍隊は階級組織なので下っ端のときに大変なのは仕方がない。
一等兵になって少しは楽ができるか、と思ったら大間違いだ。一等兵には二等兵をしっかり管理する役割がある。早い話が、軍隊に不慣れな二等兵がミスをおかすと、上司にあたる一等兵の責任になってしまう。そういう意味では、せっかく一等兵になっても気がやすまらないことが多い。
そんな生活が7カ月ほど続くと、今度は上等兵に昇格する。韓国では「上兵」と呼ばれるが、この上兵になると、軍隊での生活もかなり楽になる。兵役入りして10カ月以上が経過しているし、ほとんどのことに慣れている。しかも、二等兵の管理は一等兵が行なってくれる。部下も増えて上等兵は命令する立場としての余裕もできてくるのだ。(ページ2に続く)