上等兵から楽になる
軍隊は完全に上下関係で成り立っているので、自分の立ち位置を考えて行動しなければならない。
同じ階級でも先に入隊している人は、相手が年上だとしてもため口を聞いて大きな顔ができる。
しかし、1日でも遅く入隊した人は後輩になるので、先輩に対して敬語を使わなければいけない。それが軍隊というものだ。
とにかく、二等兵のうちは上官や先輩からいろんな用事を頼まれるし、気が利かないと怒鳴られたり小突かれたりする。つまり、気が利かないと軍隊ではとても辛い思いをすることになる。
それでも、「二等兵から一等兵、一等兵から上等兵、上等兵から兵長」というように昇級を楽しみにしていれば、少しは気分も楽になるのではないだろうか。
もちろん、一番辛いのは二等兵で上官から用事ばかり頼まれて自分の時間がない。また、一等兵になっても二等兵を管理する役割があり、二等兵がミスしたりすると一等兵の責任になってしまう。
このように、一等兵もなかなか大変なのだ。
上等兵になれば軍隊でかなり楽になってくる。上等兵の場合は1年くらい軍隊にいるわけで、軍隊生活にも相当慣れている。ここでホッとできるのだ。
兵長になれば、現役兵の中では一番上なので、下の者になんでも命令ができる。まさに会社の役員になった気分だろう。
そして、後は首を長くして除隊を待つことになる。
(文=康 熙奉〔カン ヒボン〕)