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カテゴリー:韓国紀行
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韓国・南西岸への旅19「去り行く青山島」
ようやく見つけたのが青山島食堂だった。船着場の奥の海岸沿いにあった。一向に注文を取りに来ないので声をかけたら、「見たらわかります。1人前でしょ」と言い放った。メニューもなく、注文も勝手に決められてしま… -
韓国・南西岸への旅18「霧が深い港」
背後で足音がしたので振り向くと、霧の中から1人の女性が忽然と現れた。よく見ると、なんと、行きのフェリーにいたラーメン作りの名人ではないか。相変わらずの仏頂面で、どこかへ急いでいる様子なので、興味をそそ… -
韓国・南西岸への旅17「アワビのお粥」
その日は港近くの旅館に泊まった。韓国の旅館は一般的に素泊まりなので、食事は外の食堂へ出かけることになる。港の周辺を散歩しながら、水槽の中の魚が最も生きがよく見える食堂に入った。50代の夫婦が切り盛りし… -
韓国・南西岸への旅16「青山島を一周」
「俺も今はこんな生活だけど、しょうがないよね、自分でそうしたんだから……」と、男はポツリとそう言った。ずっと孤独だったのだと思う。普段は、誰も声をかけてこなかったのではないか。 [caption… -
韓国・南西岸への旅15「白い砂浜」
地元の人たちの会話を羨ましい気持ちで見ていた。私は、近所の道ではいつも俯きがちに歩いている。「顔見知りに会っても気づかなかったことを装う」という気持ちがどこかにあるからだ。挨拶することが気恥ずかしい。… -
韓国・南西岸への旅14「一面の菜の花畑」
見学料を取るわけでもなく、貝殻細工を販売しているわけでもない。自分で作った数多くの貝殻細工を棚に飾ってあるだけだ。それを、ブラリとやってきた旅行者に気さくに見せてくれるという、この家の度量に感心した。… -
韓国・南西岸への旅13「美しい貝殻細工」
ちょうど空車のタクシーが通りかかった。なんというタイミングの良さ。離島どころかソウルにいるかのような便利さだ。運転手さんは30代の男性で、優しい目をしていた。口調もていねいで、低い声で「どちらまで行か… -
韓国・南西岸への旅12「青山島の人々」
青山島(チョンサンド)の港に立ったとき、真っ先に目に入ったのは、入り江に停泊する漁船の先に見えていた小山だった。正三角形のように秀麗な斜面を持った山で、一枚の絵に見立てた場合、「前に漁船の群れ、後ろに… -
韓国・南西岸への旅11「青山島に到着」
韓国でのインスタントラーメンの普及は凄まじい。コンビニには熱湯がいつも常備されており、併設されたカウンターでカップラーメンを食べている人が本当に多い。また、鍋物や炒め物にインスタントラーメンを入れるの… -
韓国・南西岸への旅10「ラーメン作りの名人」
船の中に小さな食堂があり、匂いに誘われて入ってみたくなった。4人も入れば一杯の食堂だが、ちょうど先客の3人連れが出るところだった。50代でちょっと太めのアジュンマが、一人で切り盛りしている。前の3人の…