韓国・南西岸への旅14「一面の菜の花畑」

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見学料を取るわけでもなく、貝殻細工を販売しているわけでもない。自分で作った数多くの貝殻細工を棚に飾ってあるだけだ。それを、ブラリとやってきた旅行者に気さくに見せてくれるという、この家の度量に感心した。

菜の花が満開だった




どこか懐かしい

嫌な顔一つせずに招き入れてくれた貝殻細工の作者、彼女と立ち話をしていた人たち、勉強していた女子高校生。誰もがおおらかな雰囲気を持っていた。
そのおおらかさは、何によってもたらされているのか。美しい海岸線、青々とした麦畑、大樹が生い茂る山、人々が寄り添いながら暮らしている集落……。青山島では見るものすべてがどこか懐かしい。
すっかり気分がよくなったところで、私たちは、「春のワルツ」の中で最後に主人公の男女が住んだ家に向かった。そこは、「春のワルツ」ハウスと名付けられていて、観光客に一般公開されている。鮮やかな色彩感覚にあふれた家であった。
2階のベランダからは、一面の菜の花畑が一望できた。風を浴びて、無数の菜の花が波のようにゆらゆらと揺れている。黄色い花には人を浮足立たせるような高揚感があるが、今目の前の菜の花畑を見ていると、「くよくよしないで、自分がやりたいことをやってみろ」と励ましてくれるような風情だった。




そのずっと先まで見通すと、陽光に輝く海が見えた。黄色の花と青い海……その調和が静かに心にしみ通る。
その後、タクシーでくねくねした狭い道をゆっくり走っていると、農具を持った3人の老人が道の真ん中で立ち話をしていた。男性が2人に女性が1人。ちょうど農作業を終えて自宅に戻る途中でおしゃべりを楽しんでいるという雰囲気だった。
タクシーを運転するジェファンさんは、クラクションを鳴らすような無粋なことをしない。相手が気がついて道を空けてくれるまで停車して待っていた。そのうち、笑い声を立てていた老人たちが車に気づき、道の脇に寄ってくれた。ジェファンさんは、ゆっくりと車を進めたが、老人たちの横を通るとき、一旦停車して大きな声で挨拶をした。すると、老人たちもジェファンさんに声をかけてきた。みんな、にこやかな表情だ。顔見知りだからそうなのかもしれないが、人と会うのが楽しくて仕方がないという感じだった。

文・写真=康 熙奉(カン・ヒボン)

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