2022年2月12日から韓国tvNで放送された『二十五、二十一』。主演はナム・ジュヒョクとキム・テリ。Netflixでも同時配信されたので、日本でも高い人気を示した。このドラマの魅力を連載で語っていこう。
善意の人たち
物語の最初の設定は1998年。韓国が経済危機で大変な時期だった。
キム・テリは、フェンシングに取り組む女子高校生のナ・ヒドを演じている。
ナム・ジュヒョクが演じるのがペク・イジンだ。彼はもともと裕福な家庭の御曹司だったのだが、経済危機によって父親は破産し、一家はバラバラになってしまった。そんな苦境にめげず、ペク・イジンは努力を重ねた。
ドラマ全体を通して、ナ・ヒドの明るさが飛びぬけている。そんなキャラクターをキム・テリが卓越した演技力で表現している。
なにしろ、30歳を越えているキム・テリが演じているのが高校生なのだ。しかし、不自然さがまったくない。彼女の天性の表現力が、演じるナ・ヒドを華やかに彩っている。
ナム・ジュヒョクも、哀愁を感じさせる表情の一つひとつにドラマ性があった。
さらに、『二十五、二十一』は出てくる人たちの人物像がそれぞれとてもいい。
実は、今まで韓国ドラマで本当に嫌なキャラをたくさん見てきた。悪意がある登場人物を多く出してきて物語を意図的に騒がせていくスタイルのドラマが多かった。
しかし、『二十五、二十一』には善意の人たちがたくさん出てくる。そういうドラマは見ていて本当に気持ちがいい。
これは脚本家の力が大きい。人物の描き方に情があり、人間への肯定的な捉え方がある。それが、悪意がないストーリーに生きている。
だからこそ、見ている人たちが素直な気持ちになれる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)+「ロコレ」編集部
『二十五、二十一』礼賛!/第2回「各話のエンディングが素晴らしい」