韓流20周年の軌跡と奇跡7「テレビ局の運営」

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韓国テレビ局の3大ネットワークのうち、KBSは視聴料で運営されていて日本のNHKと同じ(ただし、KBSでは広告も流す。そこがNHKとは違う)。ここの視聴料の集め方は徹底していて、なんと電気料金に含まれて徴収されるのである。

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テレビドラマの等級制

KBSの視聴料の徴収率はほぼ100%だ。不払い運動に悩まされるNHKとしてもうらやましくて仕方がないだろう。
MBCは半官半民といった感じの放送局。政府の出資で成り立っているが、経営は民間で行ない広告料でまかなっている。そして、SBSだけが純然たる民間放送だ。
韓国ではCMも各テレビ局が直接クライアントと契約するのではない。韓国放送広告公社というものがあって、そこが一括してクライアントからCMの依頼を受け付ける。そのため、企業が直接テレビ局に依頼をしてもダメ。かならず公社に話をもっていかなければならないのだ。これは、CMを出す企業が放送番組に影響力をもつことを排除するためである。
日本のテレビ局は局単位で企業からCMを受けるので、状況によってはそのクライアントの意向にそったような番組づくりをしないともかぎらない。また、企業側も自分に不利な報道があった場合は広告主という立場で放送局に圧力を及ぼすこともできるかもしれない。




その点、韓国のようなやり方なら、企業側がいくら大量にCMを出しても、テレビ局にちょっかいを出すことは不可能だ。つまり、公的機関が広告を一元的に管理することで、企業側の影響を排除することができるのだ。
ただし、これでは放送が政府の干渉を大いに受けるともかぎらない。そこで、放送の独立性を維持するために、金大中政権時代に政府や国会とは別に放送委員会が設立されており、その委員たちによって放送の全体政策が決定されるようになった。各番組のチェックもこの放送委員会で行なわれている。
その指導もなかなか厳しいようで、2002年11月からはテレビドラマに等級制が導入された。これは、興味本位のテレビドラマが子供たちに悪影響を与えないように、番組によっては「15歳未満の視聴不可」「12歳未満の視聴不可」といった制限を設けるもの。暴力シーンが多いドラマが該当するのはもちろん、不倫を扱ったドラマもこうした規制をどんどん受けている。
日本でいえばホームドラマのような内容でほのぼのとしているのに、「15歳未満の視聴不可」という表示が出ることがある。「なんで規制の対象になるの?」と驚くが、そういうドラマはきまって筋が不倫の方向に行ってしまうのである。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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