韓流20周年の軌跡と奇跡2「韓国での『冬のソナタ』の大ブーム」

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『冬のソナタ』でチュンサン役を演じたペ・ヨンジュンとユジン役を演じたチェ・ジウの劇中の髪型が韓国で異様な人気となり、美容院にカップルで訪れて2人の髪型に変える男女が続出した。栗色で髪の先がゆるやかなウェーブを描くペ・ヨンジュンの髪型は仕上げが難しいにもかかわらず、美容院に女性を同伴した男性が次々と注文していくほどだった。

画像=Pan Entertainment




まさにシンドローム

古風なショートカットのチェ・ジウの髪型は、個性を目立たせるスタイルではないのだが、女性が競って真似し始めた。
人気美容院のヘアデザイナーも「毎日20人も同じ注文をする。確かに、ドラマが人気を得れば女性が主人公の髪型と同じにするケースはあるが、男性がドラマの登場人物の髪型を真似るのは初めて」と驚くほどだった。
韓国でブームとなったのは髪型だけではない。パステルカラーの襟巻き2枚を重ね合わせるファッションや、劇中で重要な役割をするポラリス(北極星)型のネックレスも大人気となり、襟巻きやネックレスの生産が追いつかないほど売れた。
ドラマのホームページは数週間で1000万件以上のクリック数があり、主題歌も携帯電話の着信メロディーの定番となった。まさにシンドロームと言えるほど爆発的人気を博したのである。
なぜ、これほど韓国で『冬のソナタ』が大ヒットしたのか。




それは、テレビドラマに必要な人気要因が、あますところなく盛り込まれていたからだ。ストーリーのおもしろさ、俳優の魅力、心に響く挿入音楽、演出を担当したユン・ソクホの仕掛けの巧みさ……など。特に、婚約者と新しい恋人の間で揺れる女心を細かく抒情的に描いていく演出は見事で、背景となる風景の美しさもドラマの展開に彩りを与えていた。これほど質の高い作品を生み出すのだから、韓国のテレビドラマ作りは確かに底力がある。
同時に、おもしろくするためには「なりふり構わぬ」という韓国流のバイタリティも強く感じた。とにかく、ストーリーが並ではない。
チュンサンの場合は、二度も交通事故に遇い、記憶喪失に陥り、ユジンと異母兄弟の関係を疑われる。こうした展開が視聴者の関心を呼んでいたのは確かだ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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