NHKもそれまで海外の秀作ドラマを定期的に放送してきたが、韓国には関心を向けなかった。しかし、コンテンツの不足が顕著になり、試験的な試みとして『冬のソナタ』をBSで2003年4月から放送してみた。
ブームがアジアに波及!
予想外の大人気となり、その原作本は数週間で30万部を越えるベストセラーになった。東京の新大久保にある韓国ショップでは、ポラリスのネックレスを14カラットもので1万6000円で販売していたが、ドラマに夢中になった女性たちが競って買い求めていて飛ぶような売れ行きだった。
その後、韓国のテレビドラマが日本でもっと身近になった。実際、アジア各国ではすでに大ブレークしていて、中国、台湾、香港、ベトナム、インドネシア、タイなどで高い視聴率をあげていた。
韓国のテレビドラマがアジアでなぜこれほど受けたのか。
『秋の童話』『冬のソナタ』を大ヒットさせたユン・ソクホが新たに演出をした『夏の香り』が2002年7月から韓国で放送されたが、その取材現場にはアジア各国の報道陣が殺到した。
その光景はまさに象徴的だったが、取材を終えた中国の記者は韓国ドラマの魅力について次のように語った。
「出演者の容姿がとても素敵だし、ドラマの心理描写が細かくて心を打たれます」
まさに韓国ドラマの特徴を言い当てている。
心のちょっとした動きをとても繊細なタッチで描いていくので、似たような感性をもつアジア各国で人気になるのも当然かもしれない。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
韓流20周年の軌跡と奇跡2「韓国での『冬のソナタ』の大ブーム」