人生を救ってくれた『マイ・ディア・ミスター』/第5回「愛すべき三兄弟」

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『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん』で描かれる兄弟愛がとても濃密だ。イ・ソンギュンは大手建築会社で構造エンジニアを務めるドンフンに扮しているが、社内抗争に巻き込まれて心身ともに疲弊していく。そんな彼を救うのが濃厚な兄弟愛だった。

写真=韓国tvN『私のおじさん』公式サイトより




痛快な場面

ドンフンは三兄弟の二番目で、長男のサンフン(パク・ホサン)と三男のギフン(ソン・セビョク)はともに何をやってもうまくいかず、2人で清掃業を始めて再起する。
この3人は毎日のように会って、底なしのように酒を酌み交わす。その際に展開される兄弟愛をドラマは濃厚に描き続けていく。
根底にあるのは、母親への労りと兄弟同士の信頼感だ。
果たして、これほど子供時代と変わらない男兄弟がいるだろうか。そう思えるほど三兄弟はベタベタしすぎている。しかし、見ていて不快ではない。むしろ羨ましいほどだ。
それだけではない。三兄弟が住んでいるのはソウルの後渓(フゲ)という街なのだが、地元への愛着がすごい。「ジョンヒの店」という馴染みの酒場を中心にして、三兄弟と地元の仲間たちがずっと宴会を繰り返す。
象徴的なエピソードになっているのが、ドンフンが悪い奴と殴り合いになったときだ。「ジョンヒの店」に集まっていた人たちが、ドンフンを助けようとして血相を変えて集団で街中を走り回っていく。その騒動が凄まじい。人はここまで仲間のことを助けられるのだろうか。そんなふうに感心してしまう。




また、サンフンがビルのオーナーから理不尽な仕打ちを受けたときのことだ。彼は土下座せざるを得なくなり、愛する母親にその屈辱を見られてしまう。それを知ったドンフンが、ビルのオーナーに仕返しをする場面が痛快だ。彼はトンカチを持ってオーナーの事務所に駆け付け、不法建築の証拠として部屋の壁をトンカチで叩き始めた。そういう強硬手段でオーナーを屈服させてサンフンに謝罪させるのであった。
何度見ても胸がスカーッとする場面だった。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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