『キム秘書はいったい、なぜ?』は、ヨンジュンに秘書として9年間も仕えたキム・ミソ(パク・ミニョン)が、突然退職を願い出るところから始まる。そのことにショックを受けるヨンジュン。完璧な男だったはずなのに、キム・ミソの退職依頼に動揺してどんどん崩れていく。
多様性を求めるタイプ
『キム秘書はいったい、なぜ?』を見ていて思うのは、パク・ソジュンが多彩な引き出しを持っているということだ。黙っていれば最高のイケメンになれるし、口を開けば愉快なギャグマンにもなれる。
そのパク・ソジュンは、俳優としての自分のスタイルについてこう語っている。
「これまでの作品を考えてみれば、今まで自分が演技するうえで追求してきたことは日常的で生活感があるものであり、私は演技の多様性というものを求めるタイプなんです」
そのうえで、パク・ソジュンは今回のヨンジュンというナルシストをどのように演じようとしたのか。
「今回のヨンジュンという役は結構難しいところがありまして、設定自体が非常に自己中心的であり、日常的な雰囲気で演技をしてみると、嫌みのあるような男になってしまうのです。『このような状況をどのように表現すれば自然な雰囲気になるのか』『キャラクターの魅力をどうアピールできるか』ということを考えて、とても悩みました」
その悩みは深かったという。その中で、パク・ソジュンはどのように自分なりの演技スタイルを見つけたのか。
それは、自信を持って役に成りきることに徹することだった。
「編集された映像を見る前はちょっと違和感があったのですが、今は十分に自信を持ちながら演じています。自己的な雰囲気の中でもどのように自然の雰囲気を出すか、ということをひたすら追求しています」
パク・ソジュンはこう語って、究極のナルシストを演じきった。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
パク・ソジュンの演技力を楽しむ4「とんでもない会食(前編)」