韓国ドラマはとにかく食事のシーンが多い。大家族で食卓狭しと並べられた家庭料理を皆で突いたり、財閥が高価な食材をフルコースで朝から繰り広げていたり、残業終わりに同僚や部下と焼肉食べに行ったり……。空腹で見てると危険なのです。このモッパン(食べる+放送の造語)のようなドラマ作りも食生活が特別に重要な韓国文化の一つですね。
ドラマの中の美味
トンチミ(大根の水キムチ)を見ると『宮廷女官 チャングムの誓い』をまず思い出します。王様に用意すべき冷麺に必要なお肉が無くなり、急遽、水キムチ(トンチミ)を思い出し、そのスープでさっぱりした冷麺を用意するのです。やっぱりチャングムは頭がいい〜機転が効く〜それに暑い夏にスッキリ美味しそう!
『恋のスケッチ〜応答せよ1988〜』では主人公の父親の大好物、ハイ貝の和え物が良い事がある時に出てきます。これは手間がかかるので大変だそうです。学校帰りのトッポッキも楽しくて美味しそう。
パク・ボゴムとソン・ヘギョの『ボーイフレンド』ではボゴムの先輩がやっているコルベンイ(つぶ貝の和え物)の飲み屋が出てきます。ソウル乙支路のコルベンイ通りは若者がいっぱいで壁が落書きだらけ。すっごく辛いけど美味しくてソジュ(焼酎)が進んじゃう。
『ゴハン行こうよ』はモッパンのドラマ版。ひたすら美味しいご飯が出てきて主人公達が食べまくる。
中でも『ゴハン行こうよ2』のソ・ヒョンジンの食べっぷりが大好き。おちょぼ口なのに大食いで次から次へといくらでも食べられそうな迫力で綺麗に食べまくる。中でもホルモン焼きのこだわりの食べ方は素晴らしい。お肉の旨味と脂が香ばしく絡まってたまらない。海辺で食べてたエビの塩焼きもいいなぁ。
それにしても財閥の飲み会や高価な接待などで出てくるのは必ずと言っていいほど日本食や日本料亭。やっぱり韓国人は日本料理が好きなんだよね。ちょっといけてるオシャレな若者も日本居酒屋で集う。
でも、皆の大好きなのは誕生日の朝にオモニが作ってくれるわかめスープ、これ必須!
文=宋由美(ソン・ユミ)
韓流コラムニスト。東京で生まれ育つ。両親は済州島出身。韓国留学で現地のリアル生活の真髄を知り、アメリカでビジネスの将来性を探求。特に通販の可能性に興味を持ち、日本に戻ってQVCの副社長を歴任。現在は、韓流ライフに役立つ情報や生き方を発信している。