しっかり準備をした
それから数年。『サニー 永遠の仲間たち』に出てきたシム・ウンギョンは、地方から転校してきてソウルの学校で訛りを嘲笑される女子学生を演じた。
あのときのオドオドした表情が秀逸だった。それは、天真爛漫な子役が大人の女優へと成長していく姿と重なった。そして、映画『怪しい彼女』でシム・ウンギョンはその名を轟かせた。
韓国にも「子役は大成しない」という言葉があるが、シム・ウンギョンはそのジンクスが当てはまらないことを証明した。
そうなると、国内で第一線の女優としてキャリアを積みたくなるのが普通だが、彼女は果敢に国外に飛び出して、様々な挑戦を続けている。その一つが、『新聞記者』での吉岡エリカの役だった。
この『新聞記者』は、医療系大学院大学新設の極秘文書が東都新聞社に送られたところから始まる。社会部記者の吉岡エリカが取材を開始して、極秘文書の送り主が徐々にわかってくるというのが前半のストーリーだが、シム・ウンギョンの日本語は観客にどう受け止められたのだろうか。
韓国人が日本語を話すときは、「つ」と「ざ」の発音に苦労する。両方とも韓国語にはない発音だからだ。この点でシム・ウンギョンの日本語に違和感はなかった。彼女がしっかり準備したからだろう。
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