百年に1人の……
2004年11月25日、ペ・ヨンジュンは二度目の公式来日を果たした。そのときも成田空港がファンによって埋めつくされた。
滞在中にファンの転倒事故もあったのだが、ペ・ヨンジュンは誠実な謝罪会見を開いて深謝している。
ペ・ヨンジュンは、それまでの日本にまったくいないタイプの俳優だった。
存在そのものが、先入観が及ばない神秘の世界を旅する男性のように思えた。
そして、彼に惹かれた多くの女性たちが取った次の一手には度肝を抜かれた。彼女たちは、自ら積極的に行動を始めたのだ。
追っかけをする、韓国のロケ地を訪ねる、韓国語を習い始める、情報を得るためにパソコンを覚える、ファン同士でオフ会を数多く開いて交流する……など、自ら楽しみながら新しいことにチャレンジした。
日本にこれほどの影響力を及ぼした人は、それまでの日韓の歴史に1人もいなかった。まさに「百年に1人のカリスマ」だった。
文=康 熙奉(カン ヒボン)