日韓の二千年の歴史1/海を渡る人々

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古朝鮮とは?

1万8千年前から数千年間の氷河期、日本列島はまだ大陸とつながっていて、日本海が内海だった。
氷河期が終わって氷が溶けたとき、水位が上がってユーラシア大陸の東端が切り離された。日本列島の誕生である。
ポツンと取り残された島々。海に囲まれた僻地であったが、地理的にはそれが幸いした。外敵がいない別天地が誕生したのだ。しかも、朝鮮半島を通して適度な距離感で大陸とつながっている。
地図で朝鮮半島の形を見ていると、庇から今にもこぼれ落ちそうな水滴に見えてきた。あるいは、大陸から突き出した匕首か。
いずれにしても、ちょうどうまい具合に、半島の先は日本に向かっている。
「いつでも気軽に来いよ」
親しい友人関係のように、半島と列島はお互いに寄り添っている。




列島は東に向かって孤立しているから、その分、興味が西に引っ張られる。
その西にある朝鮮半島の情勢は、紀元前から紀元後にかけてどうなっていたのか。
神話時代を含めると、朝鮮半島の国家は檀君(タングン)朝鮮、箕子(キジャ)朝鮮、衛満(ウィマン)朝鮮と続いた。
3つの朝鮮を合わせて「古朝鮮」という。
神話の助けを借りなくても存在が認められるのは衛満朝鮮だけ。考古学的には、朝鮮半島の歴史は衛満朝鮮から始まる。
国名の衛満は人名だ。古代中国の燕から亡命してきて朝鮮半島北部を支配下に置いたとされる。さらに欲張って領土を広げようとした衛満。漢の武帝の逆鱗に触れて滅ぼされたようだ。
紀元前194年から紀元前108年まで。それが衛満朝鮮の寿命だ。人間であれば長いが、国となれば短い。
(ページ3に続く)

日韓の二千年の歴史2/広開土王の時代

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