悪徳高官を狙う義賊
ホン・ギルドンは辛い胸中をなんとか父に打ち明けた。しかし、慰めれば余計に不憫になると思った洪宰相は、あえてホン・ギルドンを叱りつけた。荒れた彼は、刺客に命を狙われるようになるが、逆に返り討ちにした。
しかし、正当防衛とはいえ人を手に掛けたことを悩んだ。家に留まればもはや家族の迷惑になると考え、自ら姿を消した。
旅に出たホン・ギルドンは、いつしか盗賊の頭領になり、悪徳高官だけを狙って懲らしめた。
世宗はホン・ギルドンの逮捕にやっきになるが、神秘的な術を操る彼をつかまえることはできなかった。
強気に出たホン・ギルドンは、自分を兵曹判書(ピョンジョパンソ/国防長官のこと)にするなら出頭するという札を目立つところに張り付けた。
世宗は、ホン・ギルドンを野放しにするよりも自分の配下に置いたほうが賢明だと考え、彼の要望を受け入れた。庶子出身の義賊が大臣にまで上り詰めたのである。
しかし、ホン・ギルドンはそれだけでは満足しなかった。仲間と一緒に遠い異国の地に向かった。それは楽園を求める旅だった。
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