ドラマ『逆賊』の主人公ホン・ギルドン!本来は誰なのか

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理想と現実の違い

ホン・ギルドンは、旅先でも活躍した。数々の困難を切り抜けて、新しい国を建国するまでになった。そこでホン・ギルドンは多くの子供を授かって幸せに暮らし、最後は雲に乗って、天の国に旅立った。
以上が『ホン・ギルドン(洪吉童)伝』の筋書きだが、許筠はこの小説の中で、身分制度を乗り越えて誰もが自由になる理想郷を描いた。




しかし、理想と現実は違う。許筠が身分制度の矛盾を改善しようとした熱意は権力側から反逆罪とみなされ、彼と同志は逮捕されて死罪となった。そのとき許筠は49歳であった。
反逆罪はもっとも罪が重く、家族や子孫も極刑となった。流された血の多さは、目をそむけたくなるほどだった。
しかし、許筠が夢見た理想は残った。
『ホン・ギルドン(洪吉童)伝』は次々と写本されて、世代を引き継いで多くの人に読まれた。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

康熙奉(カン・ヒボン)著『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(実業之日本社)

康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』

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