憎まれすぎた悪女の張緑水(チャン・ノクス)/朝鮮王朝人物実録8

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朝鮮王朝で悪女と呼ばれた女性は何人もいるが、それぞれに悪女にならざるをえない事情を抱えていた。しかし、張緑水(チャン・ノクス)は別だ。彼女は王の側室になり、強欲なまま悪事に手を染めていった。

写真=植村誠




年齢より若く見られた張緑水

貧しい家庭に生まれた張緑水。極貧の少女時代を送ったが、やがて斉安大君(チェアンデグン〕の屋敷で働く奴婢(ぬひ/朝鮮王朝時代の最下層の身分)の妻となった。
斉安大君は9代王・成宗(ソンジョン)のいとこであり、高い品階をもっていたので、張緑水は奴婢といえども生活に困窮することはなかった。
しかし、上流階級の生活を間近に見たことで、張緑水の欲望に火がついた。彼女は一介の奴婢で終わるつもりは毛頭なかった。
張緑水は息子を産んで家を飛び出し、歌と踊りを覚えて妓生(キセン/宴席で歌と踊りを披露する女性)になった。すぐに彼女は評判になった。歌がとてもうまくて、くちびるを動かさなくても美しい声を響かせることができた。




その頃の張緑水は30歳を過ぎていたが、10代に間違えられるほど若々しかった。その噂を聞きつけたのが10代王の燕山君(ヨンサングン)だった。
彼は張緑水がとても気に入り、彼女を宮中に招き入れた。その身分を考えれば不可能なことなのに、燕山君は張緑水に「淑媛(スグォン)」という従四品の品階を与えた。
(ページ2に続く)

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