傲慢で執念深い燕山君(ヨンサングン)/朝鮮王朝人物実録9

このエントリーをはてなブックマークに追加

残虐な処刑

事実を知った燕山君は、あまりの怒りと悲しみで一晩中泣き続けた。
その涙をぬぐった彼が一番最初にしたことは、母を復位させることだった。それは父である成宗の判断を否定する行為であった。
宮中では反対する声が多くあがった。
しかし、燕山君は耳をかさなかった。




それだけではなく、母の死に関わった者、傍観した者、母の復位に反対する者の官職を剥奪し、片っ端から斬首にした。この命令は死者も例外ではなく、墓をあばき、その首をはねている。
燕山君が即位してから11年が過ぎた。
王の乱行がますますひどくなった。国を憂えた重臣たちが反乱を起こし、燕山君は王位を奪われた。代わって、燕山君の異母弟が後継者となった。これが11代王の中宗(チュンジョン)である。
王位を追われた燕山君は、島流しにされ、1506年にわずか30歳で絶命した。

文=康 熙奉(カン ヒボン)

燕山君について紹介している『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社)

康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化と、韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』

朝鮮王朝おもしろ人物列伝(10代王・燕山君編)

『7日の王妃』の燕山君(ヨンサングン)と晋城(チンソン)大君の関係は?

燕山君(ヨンサングン)廃位のとき中宗(チュンジョン)と端敬(タンギョン)王后は?

朝鮮王朝おもしろ人物列伝(張緑水編)

憎まれすぎた悪女の張緑水(チャン・ノクス)/朝鮮王朝人物実録8

ページ:
1 2

3

関連記事

  1. わがまま放題の粛宗(スクチョン)/朝鮮王朝人物実録5

  2. 憎まれすぎた悪女の張緑水(チャン・ノクス)/朝鮮王朝人物実録8

  3. 非道な王位強奪を強行した世祖(セジョ)/朝鮮王朝人物実録10

  4. 悪の手先だった鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)/朝鮮王朝人物実録7

  5. 英祖(ヨンジョ)は偏屈な王だった/朝鮮王朝人物実録3

  6. 朝鮮王朝三大悪女(張緑水、鄭蘭貞、張禧嬪)はどのように死んだのか

  7. 光海君(クァンヘグン)の栄光と転落/朝鮮王朝人物実録1

  8. 鬼のような文定(ムンジョン)王后/朝鮮王朝人物実録6

  9. 超話題の『マンガでわかる!韓国時代劇のすべて』!

PAGE TOP