このまま突っ走る
映画の中で彼らは自分の気持ちを思う存分に語っているが、7人全員に共通しているのは、「自分たちはなぜここまで世界で人気を博すことができたのか」という戸惑いを持っていること。
そうなのだ。BTSの世界での評価に一番驚いているのは彼ら自身に違いない。
それだけに、慢心はない。
謙虚に、自分たちの現状を見つめている。
そして、ファンに対する感謝を忘れない。
映画を見ていると、BTSが綱渡り的にツアーをこなしている様子がよくわかるが、どんなに不安でも、どんなに満身創痍でも、彼らはこのまま突っ走るしかない。なぜなら、世界中のファンが身を焦がして待っているのだから。
今を7人で生きる……『Burn the Stage : the Movie』は7人の結束の強さを改めて実感させてくれた映画だった。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
康 熙奉(カン ヒボン)
1954年東京生まれ。在日韓国人二世。韓国の歴史・文化や韓流および日韓関係を描いた著作が多い。特に、朝鮮王朝の読み物シリーズはベストセラーとなった。主な著書は、『知れば知るほど面白い朝鮮王朝の歴史と人物』『朝鮮王朝の歴史はなぜこんなに面白いのか』『日本のコリアをゆく』『徳川幕府はなぜ朝鮮王朝と蜜月を築けたのか』『悪女たちの朝鮮王朝』『宿命の日韓二千年史』『韓流スターと兵役』など。最新刊は『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』。