『雲が描いた月明り』のための最低限の歴史解説!

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『雲が描いた月明り』についても紹介している『いまの韓国時代劇を楽しむための朝鮮王朝の人物と歴史』(康熙奉〔カン・ヒボン〕著/実業之日本社発行)

実在の人たちが次々に登場

イ・ヨンの父親となっている国王は純祖がモデルになっている。
ドラマで国王は政治の主導権を高官に奪われているが、歴史上でも純祖は政治の主体性を発揮できなかった。そういう意味では、ドラマが現実を大いに反映していた。
なお、『雲が描いた月明り』ではイ・ヨンが幼いときに生母が亡くなっている設定になっているが、この点は史実と違う。純元王后は孝明世子が亡くなったあとも27年間生きていたのである。




『雲が描いた月明り』には、国王より権力を持った存在として領議政(ヨンイジョン)が出てくる。
この領議政は官僚の最高峰であり、現在で言えば総理大臣に該当する。
ドラマの中の領議政は、実在した金祖淳(キム・ジョスン)をモデルにしている。
金祖淳は純元王后の父親であり、自分の一族で政治を牛耳った際の元締めであった。こうした人物像を『雲が描いた月明り』では巧みに生かしている。
さらに、ドラマの後半にはホン・ギョンネという反乱の首謀者が登場する。このホン・ギョンネがホン・ラオンの父親という設定だったが、この男のモデルは洪景来(ホン・ギョンネ)である。1811年に反乱を起こして殺害されているのだが、この洪景来をドラマでは存分に甦らせている。

記事提供:「ヨブル」http://yoble.jp/

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