儒教社会の宿命
茶母は専門職である。
水汲みなどの単純作業だけをしている人に比べると、仕事ぶりも相応に評価されることが多かった。
そうした茶母の中から特別に頭が良さそうな人を選んで、事件の捜査の補助的な仕事をさせることがあった。
それは、朝鮮王朝時代に儒教が国教になっていたことと関係がある。
というのは、当時は男尊女卑の風潮が強く、男女が気軽に交流することが厳しく戒められていた。
そうなると、事件の捜査現場で不都合なことが起こってきた。つまり、警察官の役割をする人間が男性ばかりだと、女性の容疑者を徹底的に取り調べることがとても難しくなってしまったのだ。
それは仕方がないことだった。当時、女性たちは男性とはまったく違う社会を形成していたからだ。(ページ3に続く)
文定王后とは誰なのか?『オクニョ 運命の女(ひと)』の登場人物(前編)