朋道佳のイチオシ15『鬼<トッケビ>(原題)』

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人間には四度の生がある

『鬼<トッケビ>(原題)』にはもう一人重要な人物、死神(イ・ドンウク)が登場します(あえて名前は明記せず、ここでは死神と称しておくことにします)。
死神は現世での生を終えた人を天界へ引導する仕事をしています。
この作品を見て、死は“死”ではなく“生を終える”という言葉のほうがふさわしいのではないかと思うようになりました。
劇中では「人間には四度の生がある」とされています。この言葉を信じたくなる人には、信じるに値するほどの世界観がこの作品には実にうまく描かれています。
「神は質問をするだけ、運命とは神が投げかける質問だ。答えはおまえたちが見つけなさい」
このセリフには衝撃を受けました。




このドラマが伝えたかったメッセージの一つがこのセリフに隠されているのではないでしょうか。
この言葉を誰が言っているのかにも注目ですし、この言葉によってトッケビや死神の心が徐々に変化していく様も見どころです。
また、私たちは何か事が起こると、これは運命だからとか、神様が決めたことだからとか、ただ受け入れるだけでなく、不平不満を言ったり、それに甘んじたりするものですよね。
私たちのそんな行動を神様はいつも近くて見ているのだ、とこの作品は教えてくれたような気がします。
「神様から授かった運命をどうするのかは、すべて自分自身に掛かっている」
そういう意味なのかもしれません。
(ページ4に続く)

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