第3回 仁祖の策略
1645年4月、仁祖の長男の昭顕(ソヒョン)は長い人質生活から解放されて8年ぶりに母国に帰ってきたのに、わずか2カ月で急死してしまった。その遺体は毒殺されたかのように黒ずんでいたという。
策士のように動いた悪女
昭顕の妻であった姜(カン)氏が一番に疑ったのが、医官の李馨益(イ・ヒョンイク)だった。
李馨益は、急病に陥った昭顕に鍼治療を行なった人物だ。しかし、彼は仁祖の側室であった趙(チョ)氏と親しい間柄だった。
なにしろ、李馨益は趙氏の実家にひんぱんに出入りしていた。当然ながら、趙氏の意向に沿った動きができる医官であった。
趙氏といえば、単に仁祖の側室であるだけではなかった。むしろ、仁祖の背後で策士のように動いた悪女であったのだ。
姜氏が疑いを持つのも当然だった。(ページ2に続く)
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