遠島への流罪
光海君は、正室の柳(ユ)氏や息子夫婦と一緒に江華島(カンファド)に流されました。柳氏は、江華島に行く船の中で、夫である光海君に「一緒に身投げして心中しましょう」と言いましたが、光海君はそれを拒絶して生き抜く覚悟を決めました。
江華島では、息子夫婦が陰謀にはめられて自害させられます。それを悲観した柳氏は自ら命を絶ちます。それでも光海君は生き続け、最後には江華島から済州島(チェジュド)に移されます。
済州島は極悪人が流される流刑の島ですが、光海君はそこまで遠島に行く羽目になるとは想像さえしていませんでした。
船も幕を張って、どこに向かっているかを隠し通して済州島に行ったと言われています。済州島に着いたとき、光海君は島の名前を聞いて絶句しました。そばにいた役人が「王であらせられるときに、悪い官僚たちの口車に乗らなければよかったのでございますが……」となぐさめたそうです。(ページ4に続く)