存在の耐えられない傲慢さ
1人は財閥の家に生まれ、裕福な暮らしが当たり前と思える中で、海外留学をしてから若くして大企業の役員になった。しかし、性格がワガママで下品で、やっているのは会社の不利益になることだった。
もう1人は、宗教者ではあるが数々の犯罪行為を指摘される父親のもとで育ち、親友が大統領になってからは、権力を思いのままに操って利権をむさぼった。
2人とも謙虚さのかけらもなく、他人を思いやる気持ちもない。ただ自分を「選ばれた人」と錯覚し、一般の人たちの感情を逆撫ですることを繰り返した。
象徴的なのは、崔順実の娘が名門女子大学に不正入学しながら「カネも実力のうち」とネットで公言したことだ。
存在の耐えられない傲慢さは、親から子に引き継がれている。チョ・ヒョナの父が「娘の教育を間違えた」と述べたが、気づくのがあまりに遅いと言わざるをえない。
文=康 熙奉(カン ヒボン)