康熙奉(カン・ヒボン)の「日韓が忘れてはいけない人13」

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第13回/若光(後編)

JR大磯駅の東側2キロメートルのところにある高来(たかく)神社。鎌倉時代から格式がある大寺として知られ、源頼朝の政子夫人も安産祈願をしたという記録が残っている。ここはかつて高麗(こま)寺と呼ばれていた。

大磯に上陸した高句麗人にゆかりがある高来神社の本殿

大磯に上陸した高句麗人にゆかりがある高来神社の本殿

大磯に上陸した若光

明治維新後に新政府が実施した神仏分離政策(王政復古・祭政一致のために、仏寺・仏像の破壊を進めた政策)によって、高麗寺も高麗神社に変えさせられ、さらに名称が高来神社になった。しかし、本来は若光(じゃっこう)にゆかりがある高句麗系の寺であったことは間違いない。

なお、高来神社の裏にある標高168メートルの山は、今でも高麗山(こまやま)と呼ばれる。さすがに山は政治と関係ないので、名称変更を免れたのである。




さらに、高来神社の南側には、今も「高麗」という地名がある。その近くにあるのも唐ケ原で、異国を連想させる地名だ。しかも、東に花水川が流れており、この川が相模湾の海岸に注いでいる。

推定すれば、花水川の河口に若光が上陸したのではないか。水があるところに住もうとするのは必然である。

その周辺に若光が定住した証として、今も高句麗にゆかりがある名称が神社や山や居住地に残っているのである。(ページ2に続く)

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