『テバク』の影の主人公と呼ばれた李麟佐(イ・インジャ)は何者?
- 2016/6/24
- 『テバク』
- チョン・グァンリョル, テバク
ドラマでさらに有名になった
李麟佐が起こした反乱は、歴史的にも「李麟佐の乱」と呼ばれて朝鮮王朝史に強烈に残っている。
英祖にしてみれば、即位後に訪れた最大の危機だったのだが、これを鎮圧することで王権を強化することができた。
以後は安定した政治運営を続けた英祖は、朝鮮王朝の27人の王の中で一番長生きした。彼の王政は、なんと52年も続いたのだ。これは、他の王と比べても、ダントツの長さである。
結果的に、英祖の王政を強くする役回りを演じた李麟佐。『テバク』の中では、粛宗や英祖とひんぱんに会っていたが、歴史的にそれは不可能である。地方で反乱の首謀者になっただけなのだから……。
そうした人物が『テバク』の影の主人公になり、物語を自在に動かすキーパーソンにおさまっていた。演じたのが名優のチョン・グァンリョルであったから、李麟佐も等身大以上の大人物に描かれていたのである。
間違いなく、『テバク』は歴史上の李麟佐を韓国でさらに有名にしたことだろう。
文=康 熙奉(カン ヒボン)