父へ伝えたい心からの「ありがとう」
ドクスと父親(チョン・ジュニョン)との回想シーンには号泣必至です。父親であるドクスの思いと、息子としてのドクスの思いが胸に刺さり、母親のような気持で抱きしめてあげたくなってしまいます。父親の献身、家族の愛は万国共通のものです。韓国で大ヒットしたのも大いに頷けますが、日本人が見ても素直に心に響いてくる作品です。
ファン・ジョンミンといえば、ドラマ「アクシンデント・カップル」のク・ドンベク役が最も印象に残っていますが、この映画も彼の魅力が満載で“良い人”を演じさせたら本当にいい味を出す俳優なのだとこの作品で再確認しました。
父の日に、この映画を家族で鑑賞するのもいいのではないでしょうか。
家族に辛さや弱さは見せないけれど、世のお父さんはがんばっているのです。
もちろん、そんな父親ばかりではないかもしれません。
でも、自分にとってどのような父親であろうとも、自分が今この世に存在しているのは、
紛れもなく“その人”がいたからこそ。
それだけは紛れもない真実です。
『国際市場で逢いましょう』は激動の時代を家族のために懸命に働いた一人の男の物語です。
父の日には大切なお父さんに感謝の言葉を贈りましょう。
もしも、もう伝えることができないほど遠く離れてしまっているのなら、心の中で感謝の気持ちを念じてみませんか。
人の想いは時空を越えて、必ず届くものなのです。
お父さん、ありがとう。
文=朋 道佳