韓国中を騒がせた事件
IT産業に詳しい関係者がこう語っている。
「韓国でインターネットが普及したのは金大中政権の情報化戦略のおかげですが、実はそれ以上にもっと重大な契機があったんです」
それは、1998年から翌年にかけて韓国中を騒がせた「オ嬢事件」だった。
人気タレントのオ嬢(韓国では実名も出てしまっている)のセックス映像が突如としてインターネット上に流れたのがことの始まりだ。元カレが交際中に意図的に撮影しておいたベッドシーンを別れた腹いせにオンラインに乗せたのである。
先のIT関係者が語る。
「それはもう凄まじい勢いで、みんなブロードバンドに入りましたよ。しかも、男性だけではなく、あまりに社会を騒がす騒動になったので、どんなものか興味をもった女性もかなり接続を開始しました。加入の手続きが追いつかず、プロバイダーすら大混乱したほどの事件でした」
儒教に基づく倫理観が根強く残る韓国では性表現の規制が厳しく、1998年当時にはテレビでキスシーンを流すことすら憚られたほどだ。
それなのに、インターネット上では表現に関する何の規制もなかった。
その後も、「オ嬢事件」に似たことが起こった。その度ごとにブロードバンドの加入が激増した。
「オ嬢事件」は、インターネットへの加入を促進させた第一波だったが、第二波となったのがオンラインゲームだ。(ページ4に続く)