韓国社会のルールブック「第30回・風呂」

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済州島(チェジュド)で小さなホテルに泊まったときのことだ。ゆっくりと風呂につかろうと思ってバスルームに行ったら、湯船がなかった。あったのは、シャワーだけで拍子抜けした。「なるほど。これが韓国か」と思った。




ドラマでも風呂の場面がない

知り合いのマンションを訪ねたときのことだ。そのマンションには確かにバスルームに湯船があったのだが、なんと湯船の中が物置になっていた。それは、そこの住人がシャワーだけ使って湯船を使っていないことを表していた。
なぜ、こういうことになるのか。
昔から韓国では、日本のようにお風呂にひんぱんに入る習慣がなかった。日本の場合は湿気が多くお風呂で汗を流すことが必要だったが、韓国は大陸性気候でむしろ乾燥していて汗もそれほど出ないのだ。
そんなこともあって、1週間のうちに何回か軽く沐浴(もくよく)をする程度で、湯船にじっくりつかるという習慣は根付かなかった。
それは現在もほぼ同じだ。
今でも韓国の多くの家庭では、かんたんにシャワーを浴びてお風呂を済ませてしまうのである。
わざわざ湯船にはつからないのだ。
そんなこともあって、たとえばドラマでも登場人物が家庭で湯船に入っているシーンが出てこない。




それでも、湯船にゆっくりつかりたいときはどうするか?
みんな、サウナや銭湯に行っている。
つまり、「家ではシャワーだけで、湯船に入るときはサウナに行く」というのがコリアンスタイルと言えるだろう。
(ページ2に続く)

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