第9回 美しい故郷の済州島がピンチです
「オルレ」を守りたい
みなさん、済州島(チェジュド)のオルレをご存じですか。
済州島を知っている日本人ならば、ゴルフ場と韓流ドラマのロケ地が思い浮かぶでしょう。今回は、日本人にあまり知られていない済州島のオルレを紹介したいと思います。
まず、オルレという言葉の意味を説明すると、家の門から大通りへと続く、曲がりくねった小さな路地のことです。
もともと済州島の方言なのですが、最近は島にあるトレッキングコースを通称オルレと呼ぶようになりました。
森林コース、海辺コース、民家コースなど、美しい自然環境を清々しく味わえるトレッキングの道です。
このオルレを誕生させたのは、済州島出身のジャーナリストの徐明淑(ソ・ミョンスク)さんという女性です。
2006年、ジャーナリストとして第一線で活躍する彼女は心身ともに疲れ果ててしまい、心の休息と新しい人生の目標を求めて旅をしました。その旅先がスペインのサティアゴ巡礼道でした。そして、旅の終盤に出会ったイギリスの女性とある約束をしました。それは、「自国に帰ったら巡礼の道で享受した平和と幸せを他人と分かち合う」というものでした。(ページ2に続く)