俳優人生を左右する
今年の1月、チャン・グンソクの次回作が『テバク』に決まったとき、心が躍った。彼はすばらしい作品にめぐりあったのではないか、という期待感も高まった。
それは、本人が一番感じていたことだろう。
3月24日にソウルで行なわれた『テバク』の制作発表会で、主役のテギルを演じるチャン・グンソクはこう語った。
「目を閉じてジッとしているときも、もし自分がテギルならどんな表情をするのか、そんな好奇心が生まれました。この作品を逃したくない、ぜひやってみたいと考えました」
この言葉にチャン・グンソクの本心が凝縮していた。彼は「この作品を逃したくない」と強調し、さらには「今までのものを捨てて、(『テバク』が)新しいものを身につけられる作品になるのではないかと思います」と付け加えた。
過去の成功を捨てて新しく生まれ変わるという宣言なのだ。
それほど、チャン・グンソクにとっても『テバク』は俳優人生を左右するほどの重要な作品だった。
撮影が始まると、チャン・グンソクの俳優魂に火がついた。まさか、本物のヘビに食らいつくとは思わなかった。そこまでやりきることが、この作品にかけるチャン・グンソクの心意気だったのである。(ページ3に続く)