俳優としての確かな手応え
ペ・ヨンジュンは、映画専門週刊誌「シネ21」の2003年9月23日付けの誌面で、次のように心情を吐露している。
「映画俳優としては、まだヨチヨチ歩きをしている水準です。でも、撮影は映画のほうが余裕があります。テレビは即興的・感覚的で瞬発力を要する媒体ですが、映画はハンドメイドみたいなものですね。演技に対して今も自信はありませんが、以前やっていたような反復的な感情表現はしていないと思います。うまく演じているとは言えなくても、少しは発展しているようです」
「今回の映画では、私が知らなかった表情が出ていました。そんな表情が自分からは出てこないだろうと思っていたのに、自然と顔から出てきました。私の中にある属性を引っ張りだしてきたのでしょう。そんな作業の妙味を感じるようになりました。撮影が終了して惜しい気持ちです。楽しかったですからね。共に時間を過ごした人たちとまた一緒にやってみたい」
「この作品を終えれば俳優として明らかに何かを得るだろう、と思いました。そして、確かに得ました。けれど、何を得たのかと聞かれても、答えたくないですね。あえてそんなことを言いたくないんです」
こうした発言を聞いていると、『スキャンダル』によってペ・ヨンジュンが俳優として確かな手応えを得たことがよくわかる。
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