韓国のトップブランド
映画『スキャンダル』はペ・ヨンジュンに何をもたらしたのか。
それは、今まで自分でも出せなかった表現の多様性……あえて別の言葉でいえば、自分の中にこもっていた役者魂をカメラの前に引っ張り出すことができるようになったのだ。それを彼は「属性」と語っていたが、この言葉は哲学的には「そのものの本質をなす固有の性質」という意味で使われる。つまり、俳優ペ・ヨンジュンが自分の本質を演技の中に出し始めたということか。それを彼は独特の言い回しで「少しは発展しているようです」と語っていた。
この変化を、韓国の言論界も見逃さなかった。有力雑誌「月刊朝鮮」は、2004年1月号で「韓国のトップブランド」という大特集を組み、韓国が世界に誇るブランドを101だけ選抜して大々的に紹介したが、その中ではサムスン電子やヒュンダイ自動車という世界的企業と一緒にペ・ヨンジュンも選ばれていた。男優では彼だけだった。
その記事の中でペ・ヨンジュンは、次のように紹介された。
「ペ・ヨンジュンにとって、2003年は意義深い年だった。テレビ界を去ってデビューした映画『スキャンダル』が興行的に成功したからである。さらに、『冬のソナタ』で得た人気は全アジア的に広がっており、2004年の彼のブランド力は50億ウォン以上の売り上げが期待されている」
当時の50億ウォンを日本円に換算すると約5億円である。この数字は韓国の人たちを驚かせたが、現実には桁違いの経済効果を生む大スターになっていた。それもすべて、『冬のソナタ』が日本で放送されて、ペ・ヨンジュンが爆発的な人気を背負うようになったからだ。
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