新兵訓練中に希望を申告する
前述したように、陸軍本部などに所属するA級軍楽隊と、軍司令部などに所属するB級軍楽隊は、入隊する前から軍楽隊員になるメンバーが決まっている。つまり、厳しい実技試験に受かった人だけが、A級とB級の軍楽隊に入れるのである。
しかし、各師団に所属するC級の軍楽隊は違う。この場合は、新兵訓練所に入ってきた新兵の中から希望者を募るのである。
どういうことなのか。
実際の選抜方法を見てみよう。
たとえば、陸軍訓練所にしても各師団の新兵訓練所にしても、入ってきた新兵たちに特技を申告させる。
最近の陸軍は、専門的な技量を持っている人には相応の軍務を割り当てる制度に力を入れており、軍楽隊もその1つに数えられている。
たとえば、「私は音楽が得意です」と申告すると、「お前はどんな楽器ができるのか」と教官から問われる。
そのときに、「ピアノです」「ギターが弾けます」と答えると、実技試験によってその技量を判定される。
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