徴兵制度は若い恋人たちにとって、愛の試練でもある。カップルが抱える破局の最大の原因は「2年間の離別」である。厳しい軍規に縛られた生活は、恋人たちのすれ違いを誘発するのである。入隊前には普通に交わしていたドラマの話や日常生活の話題が通じなくなり、共通の場がなくなっていくのだ。こうしたすれ違いは、恋人たちの心の距離を遠のかせてしまう。
兵役を契機に結婚を考えすぎる
もちろん、兵役に行っても恋人を心の支えにする男性もいる。彼らは電話使用の許可が下りれば積極的に電話をかけるし、こまめに手紙も送る。入隊経験者の中には、「兵役時代が生涯で一番手紙を書いた」という人もいるほどだ。
しかし、誰もが恋人のことを心から思って過ごせるわけではない。連日の過酷な訓練や軍規の前に恋人に気を回す余裕がなくのなるのも確かだ。次第に連絡の頻度が少なくなって、やがて破局を迎えるパターンもよくある。
兵役に赴く男性に求められるのは、いかに大変でも自分を待ってくれる恋人に対する細かい気配りだ。これができなければ100年の恋も冷めてしまう。
逆のパターンもある。
およそ2年の間、恋人を待たせて束縛することに負い目を感じる男性も多いのだ。
特に、兵役を終えた男性の大多数は、長い時間を待ってくれた女性に対して“結婚”を意識する。
しかし、若くして兵役に行った男性の中にはまだ学生という場合や、職に就いていない場合も多い。
その結果、自分を待ってくれた女性を失望させてはいけないという責任感に押しつぶされて、そのまま破局することも珍しくない。満足な生活基盤もないままに結ばれても、苦労しか残らないからだ。
こうした問題は徴兵制とは切っても切れない。それだけに乗り越えた恋人たちの絆は強固なものとなる。(ページ2に続く)