最後の終了式で二等兵になる
新兵訓練で優秀な成績を挙げたチームには、多くの褒美が用意されている。それぞれの訓練は点数によって評価されるのだが、その点数が総合的に上位になるチームには様々な特典があるのだ。
みんなが一番喜ぶのはPXを利用できるということだ。PXとは軍隊の中にある売店のこと。免税扱いなので安くなっている。軍隊の中にあるコンビニと言ってもいい。実際、コンビニに置いてあるものの多くを売っている。
成績優秀なチームが褒美をもらうと、みんなでPXに行ってコーラを飲んだり、お菓子やカップラーメンを食べるなどして、楽しく過ごすことができる。成績が良くないチームの人たちは、それを羨ましく見ているしかない。
また、成績が悪かったチームは、集団でトイレ掃除をさせられるなどの罰を受ける。そのように差をつけることによって、軍隊が実力主義であることが強調される。
さて、「行軍」を無事に終えた新兵たちは、訓練の最後には体力テストを受ける。ここで、訓練期間中にどれだけ体力が向上したかが判定される。めざすは「3キロ走を15分36秒以内」。不合格の新兵もいるが、最初の体力テストよりタイムを縮めていると、相応に努力が認められる。
そして、修了式。新兵訓練を終えた全員の胸に二等兵の階級証が付けられる。
修了式には家族も見学に来ており、その後は家族と過ごす面会時間になる。母親は息子の大好物を持参し、息子も久しぶりの「オフクロの味」を食べまくる。
それが終わると兵士たちは宿舎を整理・清掃して、翌日には配属された部隊にすみやかに移動していく。
(文=康 熙奉〔カン ヒボン〕)